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■『NEEDLESS』連載開始を記念して、今井神氏に質問をしながら過去の『NEEDLESS』関連作品を振り返るコーナーを、前後編に分けてお送りしたいと思います。

■今回は『NEEDLESS』の根幹となっている今井神・学生時代の『原作・NEEDLESS』
初の同人誌作品『BLACK SPOT』
そしてデビュー作『NEEDLESS 1.5』を取り上げていきます。

(この文章は2003/11/20発行の白砂村新聞※に掲載された記事です。)

文責/SAS坂寄祥




■『原作NEEDLESS』
(?〜1997年・未発表)元々今井神が中学・高校時代に大学ノートに描いてた落書き漫画。主人公が「アダム・ブレイド(男)」の『NEEDLESS1』、主人公が「アダム・ノイシュヴァンシュタイン(女)」の『NEEDLESS2』がある。合計で2000P近い作品で、これを『原作NEEDLESS』と呼ぶ。ウルジャンで発表した数々のニードレス読み切りシリーズも、この作品がもとになっているのだ。
 当時学校の今井神氏のロッカーはまるで図書館。今井氏作の漫画がずらりと並んでいて、読みたい人は勝手に開けて持ってってたらしい。勿論同人誌化はしていないので、読んだ事があるのは高校時代の今井神氏の友人と一部の関係者だけである。

《インタビュー》
坂寄「描き始めたきっかけは?」
今井「中高がキリスト教系で、しぶしぶ聖書読んでたら意外と漫画のネタになりそうな事が書いてあって。その内アポクリファ(聖書外典)まで読むようになって(笑)。
 それでキリスト教をモチーフに、「最初の人間アダム・イヴとその子カイン・アヴェル」を中心にしたSFファンタジー漫画を描き始めたのがこの『原作NEEDLESS』です。
 オタクになったのもこの頃。ある日、友達に「今井ちゃんの漫画にそっくりなアニメやってたよ」と言われ見始めたのが再放送の「エヴァンゲリオン」でした(笑)。
 それまではアニメなんて全然見てませんでしたからね。確かに『NEEDLESS』では「アダム○号」「イヴ」「リリム」「ロンギヌスの槍」とか、似たような用語をいっぱい使ってて「やられた!」と思いました。でもね皆さん、ロンギヌスの槍は3つ又なんかじゃありません(笑)!
 で、大学に入ってから今度はその日本版を描こうと思い立ちまして、古事記・日本書紀をモチーフにした「最初の人間イザナミ・イザナギとその子アマテラス・ツクヨミ達」を中心とした漫画を始めたのが白砂村です。」
坂寄「白砂村もNEEDLESSにリンクしてくる作品の一つなんですね。では次の質問ですが、原作NEEDLESSを一言で表すと?」
今井「青春。授業中もずっと描いてましたからね。」
坂寄「キモッ!作ってませんか?じゃあ擬音で表すと?」
今井「うおぉ〜!」
坂寄「…青春と全然違うじゃないですか!」




■『BLACK SPOT』
1998年〜1999年。全330ページ。NEEDLESS世界の核となる爆心地「BLACK SPOT」をクローズアップした作品。今井神氏が、高校生時代に何故か神奈川大学のサークル発行の同人誌で連載していた作品をまとめたもの。『原作NEEDLESSの簡易版』として50ページ位になる予定が、結局330ページにまで膨らんでしまった。世界観は他の『NEEDLESS』シリーズと同じながら、登場人物や時代はかなり異なっている。

《インタビュー》
坂寄「1番好きなキャラクターは誰ですか?」
今井「カロメナ。そのまま大きくして白砂村では弥都波として登場させたりしています。」
坂寄「にしては迦具に愛情が偏ってますよね?」
今井「やかましい!」
坂寄「…気を取り直して…。1番描きにくかったキャラクターというのはいますか?」
今井「幼い頃のアヴェル。」
坂寄「意外ですね。幼女は十八番なのでは?」
今井「あれは大人アヴェルの印象を引きずって少女にしなきゃならなかったから…。」
坂寄「なるほど。では次の質問ですが、描くのに1番時間がかかったシーンはどこ?」
今井「アヴェルの「滅びよ…」204Pかな?」
坂寄「あのページ以降どこにも出てこない巨大なクリーチャーですね(笑)さて次ですが、会心の出来!というシーンはどこですか?」
今井「72Pの『そうだな…一緒に行こうか』」
坂寄「あの大学の授業中に描いたという…名シーンですね。では次に、既に相当直しの入った普及版を発行してはおりますが、更に描き直したい!というシーンは?」
今井「ありすぎです。殆ど全部直したいですが、当時の勢いが判るので迂闊に直せません。」
坂寄「ごもっともです。では、BLACK SPOTを擬音で表してください。」
今井「ギゴン!」
坂寄「それ単にお気に入りなだけなんじゃ…。次ですが、1度だけ声の能力を使えるとしたら、どんな台詞でどんな目的に使いますか?」
今井「集英社に『連載30年分下さい!』(笑)」
坂寄「うわ腰低いんだか高いんだか!いっそ「よこせ」ぐらい言った方が!(笑)えー、では最後です。BLACK SPOTを漢字一文字で表すと?」
今井「『愛』!…かな。ハズカチィー。」
坂寄「訊いてるこっちが恥ずかしいわッ!」



■『NEEDLESS 1.5』

前編…UJ2001/7/19発売号掲載32P、後編…UJ2001/8/18発売号掲載32P
「第1回21世紀ウルトラ漫画賞準入選」に輝いた作品。『原作NEEDLESS』の1と2の間の設定になっていて、主人公は『NEEDLESS2』の主人公と同一人物。タイトルの横に小さく『1.5』と書いてあるのはその為。正式タイトルでは『NEEDLESS』になっているが、他の『NEEDLESS』と区別する為に『NEEDLESS1.5』と呼んでいる。

《インタビュー》
坂寄「好きなキャラは?」
今井「マザーブラックですね。
「原作NEEDLESS」には居ないキャラなので僕にとっては一番目新しいというか、印象に残っています。」
坂寄「では1番描きにくかったキャラクターは?」
今井「色即。色即&是空も「原作NEEDLESS」には居ないキャラです。ノリで作ったのですが…。」
坂寄「結構人気のキャラですが実は大変だったんですね…。では次に、描くのに1番時間がかかったシーンを教えて下さい。」
今井「後編ラストの方ですね。   内臓…(笑)。」
坂寄「不必要なまでに描き込んでますよね…(笑)では次です。会心の出来!というシーンは?」
今井「後編の「リトルボーイ」 発射の瞬間ですね。この技は オリジナルではなく、有る人 物の技を覚えているものです。『連載NEEDLESS』でももうすぐ 本家が登場するかも?」
坂寄「描き直したいシーンは?」
今井「ひみつです。短編集が出たらチェックしてみて下さいね。」
坂寄「また思わせぶりな…。 では次。今日からアシスタン トに色即&是空を雇うとした ら、まず何をさせますか?」
今井「力有りそうな是空は消しゴムかけとトーン圧着。神経質そうな色即はトーンですね。」
坂寄「色即は兎に角是空の方は主線も消してしまいそうですが…(笑)では最後に、メインキャラを動物で例えて下さい。」
今井「アダムN:鹿、カイン:猫、しい:うさぎ、マザーブラック:九官鳥、是空:ゴリラ、色即:パキケファロサウルス」
坂寄「あぁ、似てますね、色即。」
今井「知ってんのかよ!」
(恐竜図鑑でチェックしよう!)




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次回は読み切りのくせに76Pもある『NEEDLESS-死神の聖剣-』
シリーズ中最も凶悪&鬼畜な主人公の『NEEDLESSセカンドサイト』
ニードレスシリーズ中、最もやる気のないギャグ漫画『NEEDLESSエゴイックロータス』
をお送りする予定です。



※【白砂村新聞】
「白砂村新聞」は、今井神の同人誌アンケートにお答え頂いた方などにお送りしているサークルペーパーです。
年4回ほど封書の郵送でお届けしており、おかげ様で号外なども含めると通算20号くらいまで発行されました。

内容は概ねこのサイトの最新ニュースをまとめたもので、毎日このサイトやウルジャンやアルカディアをチェックしていなくても今井神やサークルSASの近況がわかるようになっています。
ただし、サイトでは言えないオフレコなどで文章がより過激になっていたり、ここでしか見られない4コマやイラストが載っていたりします。
さらに新聞会員様だけのお茶会を行うこともあるかも?!


※【BLACK SPOT】
全330Pの真剣同人誌。
現在絶版ですが、増刷も考えています。
読んでみたい!という方が一定数に達したら増刷するつもりです。
メールや掲示板で教えてね。




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